インド事情
今回も、インド在住の日本の友人の招きで、デリー、ジャイプール、アグラのゴールデントライアングルを駆け抜けて来た時の見聞録です。
インドの交通事情について前回詳しく述べましたが(「インド交通事情」参照)、ひとつ書き漏らしたのは、スクーターに一家総勢4人が乗っているのが当たり前だと言うことです。父親が運転し、後部座席に横座りでサリー姿の奥さんが乗っているというのは、我々にとってもそう不思議な光景ではありませんが、よく見ると、両親の間にちょこんと小さな子供が座って、父親にしっかりしがみついているではありませんか。さらによく見ると、父親の前に、もう1人、大きな子供が乗っているのです。いやはや。
民族衣装のサリーで、女性がお腹を出していてもインド男性は、何も感じないようなのに、スカート姿には、好奇な視線を向けるので日本女性は服装に注意が必要です。サリー以外のインド女性の服装は、スカートではなく、足首までしっかり隠すパンジャビ(ズボン)スタイルだからです。
因みに、このパンジャビから英語のパジャマと言う言葉が出来たようです。
この他、ヒンディー語から英語に入った言葉に、フルーツ・ポンチで代表される「パンチ」があります。ヒンディー語で「五」の意味のパンチからの派生語で、もと5種類の成分を混ぜ合せたことから来ているのです。
インドを旅していて、現地の人々との騙し騙されのやりとりが煩わしいと思っている間は、余り愉快なものではありませんが、これもインドとゲーム感覚で割り切れるようになれば、しめたものです。私達も、あれこれ興味深い体験をしました。
まずは、乗り物編。タクシーひとつ乗るにも一筋縄では、行きません。メーターが無い場合が多く、まずは、値段の交渉です。無事に交渉が成立しても安心は出来ません。行き先のホテルの名前を告げても、もっと良いところがあると、リベートが貰える自分の知り合いのところへ連れて行こうとするので、喧嘩腰に断らねばなりません。
ジャイプールの名所、アンバー城を訪れた時のことです。山上の城まで、象かジープで往復するのですが、麓の駐車場に我々の車が着くやいなや、英語を操れる客引きが寄ってきます。値段を聞くと象なら400ルピーでジープなら100ルピーとの返事。どっちを勧めるか尋ねるとジープだとの答え。お前がジープを持っているからだろうと言うと、ニヤリと薄笑い。図星だったのです。
城の見物が終わって、駐車場への帰路、頼みもしないのに土産物屋に連れ込まれます。見るのは只だからと、しつこく勧めるのを断るのにまた一苦労。通常の神経では、参ってしまいます。
次は、見学編。ここでも油断は出来ません。車から降りて、入口に向かう間中、アマゾン川に落ちた子牛に群がるピラニアのように、次々に押し寄せて来る土産物売りや自称「公式ガイド」を振り切ら無ければなりません。無事に中に入っても、気が許せません。ガードとおぼしき人物が親切に説明を始めたら要注意。後で、たっぷりガイド料をせびられることもあるのです。
タージマハールで廟に入るには、裸足になる必要があります。雨上がりだったので、ためらっていると、現地人がオーバーシューズを貸してくれました。幾らだと尋ねると、”As you wish.”と言うので、10ルピー渡したのですが、不満顔。これでは、”As you wish.”では、ありません。
公衆トイレで、お金をせびられるのも不愉快です。ここは、公共施設だろうと言うと、いや、プライベートなトイレだと言い張ります。見るからにおかしいので、じゃあ、出るところに出ようと強く言うと、なにやらもごもご口ごもっておしまい。全てが、ダメもと精神のようです。
これは、インド在住の友人の経験なのですが、ある時、タージマハールを訪れると、生憎と閉まっています。思案に暮れていると、「旦那、私に付いて来れば、見せてあげるよ。」とインド人が接近。
狭い路地をあちこち通り抜けながら、連れて行かれたのは、何とタージマハールが裏から見える地点でした。文句を言うと、「タージマハールは、左右対称なので、どこから見ても同じ。」との返事には、開いた口が塞がらなかったそうです。
甲斐 晶(エッセイスト)
| 固定リンク
「旅」カテゴリの記事
- 三都物語(1)(2026.04.05)
- 続・大阪万博(EXPO 2025)に行って来ました(2025.09.22)
- 大阪万博(EXPO 2025)に行って来ました(2025.09.22)
- EXPO 2025 オーストリア館(2025.05.29)


コメント