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インド駆け歩き

 2002年の初め、インド在住の友人(日本人)の招きで、夫婦共々、デリー、ジャイプール、アグラのゴールデントライアングルを正味3日の滞在で、駆け抜けて来ました。Mapindia2何も好き好んでインドまで出かけなくてもといぶかる周囲の声も有りましたが、インドに惚れ込んで商社勤めを辞めて独立し、インドに住み着いている私の友人の場合もあるわけで、インドの魅力を探りたいと願ったのです。

 インドと日本の時差は、3時間半。3時間でも、4時間でもなく、半端な30分のおまけが付く厳密さに、ゼロの概念を発見したインドらしさを感じます。こうした抽象思考が得意な国民性に加え、英語を自由に操れる人材の豊富さ、アメリカ西海岸とほぼ12時間ある時差を有効に使って作業し得る地理的優位性などから、インドのIT産業、特にソフトウェア 産業が目覚ましい発展を遂げています。とりわけ、南部3州の州都、チェンナイ(昔のマドラス)、バンガロール及びハイデラバードは、ITトライアングル と称され、ハイテク・パーク造りが盛んです。そこでは、外界から隔絶された敷地内に、オフィスビル、宿舎、発電所、通信設備などのインフラが整備され、ハイテク産業が誘致、集積され、著しい業績を上げています。

 28年前にデリーからアグラまで国内線を利用した際には、搭乗手続きを当時外国では当たり前になっていたコンピューター端末ではなく、分厚い大福帳で処理していたことを思い起こすと、実に隔世の感があります。信号待ちの際、日本では、残り時間の目安が赤い逆三角形の棒グラフによるアナログ表示となっていますが、首都ニューデリーでは、残り時間の秒数をデジタル表示しているのを見て、さすが、IT先進国と思わされました。

  インドを形容するもう1つの表現に「世界最大の民主主義国」というのがあります。10india1確かに、人口は、10億を超え米国を遥かに凌いでいますから民主主義体制の国として世界最大には違いないものの、一方でカースト制は、厳然として存在します。それを指摘すると、「バジパイ首相は、最下層出身にも拘わらず、現在の地位まで上り得た。機会は均等である。」との反論がインド人からは返ってきます。理屈が立つ、自己主張が強い、へこまない、ダメもと精神なども国民性なのでしょうか。

買い物や観光地でタクシーに乗るのにも正価が無く、いちいち交渉しなければならないのも、骨が折れます。短期滞在の旅行者では相場が分からずにごまかされ、後味の悪い体験をすることもあります。Ph_10bタージマハールを訪れた際のことです。排気ガスによる汚染を規制するため、1.5㎞手前の駐車場で車を降り、電気自動車タクシーなどに乗り換えなければなりません。昼時なので、途中のホテルのレストランで食事をする間、待っていて貰ってから、タージマハールを訪れ、駐車場に戻るとの約束で、100ルピー(Rs)の値段で交渉が成立。 ところが、食事が終わって出てみると約束の時間を10分過ぎてもくだんの運転手は現れません。フロントに聞くと、流しのタクシーが表を走っているので、捕まえれば、1人片道5Rsで行けるとの話。吹っ掛けられていたのです。まあ、ゲームだと思って楽しむに限るようです。

現地の人々とのふれあいも楽しいもの。車で移動中に休憩のため立ち寄ったレストランで、清掃作業者の監督とおぼしき人物に一緒に写真に入るよう誘うと、何と今まで床の拭き掃除や外の掃き掃除をしていた労働者達数人も加わってきました。デジカメで撮った映像をその場で見せてあげると、今まで苦虫を噛み潰したような監督の顔がニッコリ。いずこも変わらぬ人間性を感じました。

A0029889_11501916衛生状態にそこそこの注意を払えば、料理は、美味しく、値段も安いのが魅力です。多種多様なカレー料理は勿論、朝食の時に、好みの具を入れて目の前で調理してくれるオムレツの味は格別。ナーンの他、チャパティ、パラータなどパン類の種類が多い他、デザートも豊富です。

民族的な柄の刺繍やプリントの綿、絹、ウール製のショールやテーブルクロスの他、手の込んだ金・銀製の細工物など、驚くほどの安さ。どうも家内はインドの魅力にはまってしまったようです。

甲斐 晶(エッセイスト)

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