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アメリカ人気質(かたぎ)

  前々回お話ししたロスアラモス研究所への訪問(「ロスアラモス研究所」参照)は、Logo_snl_name_900x347サンタフェで開かれた約10日間の国際会合の一環として、ホスト国の米国がアレンジしたもので、アルバカーキ空港に近いサンディア研究所訪問も同時に行われました。両研究所とも冷戦終結を受けて、新たな活路を目指した活動を拡充しつつあるとの印象を受けました。

7478bf65a6225dfe977419feec19aa4cサンタフェの会合では、週末が含まれていましたが、こうした場合の常である、ホスト側の用意したオプショナルツアーといったものは一切無く、皆さんどうぞ御勝手にという、実に会合参加者の自主性に委ねられた企画でした(というと、聞こえは良いのですが、随分、あっさりし過ぎだなあというのが参加者の偽らざる気持ちです。個人主義至上のアメリカだからなのでしょうか)。Santafe 

当地に友人・知人がいたり、夫婦連れの参加者達は、それぞれ招かれたり、レンタカーを借りたりして週末を楽しんだようでした。仕事中毒で知られたアメリカ人参加者(どのアメリカ人も多少その気味があります)は、週末もホテルに籠もってドラフト作業三昧。その他のあぶれ組であるドイツ、フィンランド、オーストラリアからの参加者と私の4人でレンタカーをして、ロスアラモス近くのインデアンの遺跡(Bandeliar国立記念史跡 )Sia0182を訪れたり、世界最大と称するカルデラ(Valle Grande)を見たりインデアン居留地(Taos Pueblo)P336787taos_pueblo へ遠出したりしました。左ハンドル車に慣れたドイツ人に運転を任せましたが、運転が荒いのではとの先入観に反して、これが超安全運転。ステレオタイプの判断はいけません(ただし、彼もお国のハイウェーでは、時速200kmで平気で飛ばす由)。

ホスト国の名誉のために申し添えますと、全く気遣いがなかったわけではなく、ある日の晩には、

ホストのお招きで夕食をステーキハウスでご馳走になりました。ただし、ここでも飲み物は自腹というのが、いかにもアメリカ的です。私は、ソフトドリンクだけでしたので只でした。

レストランのテーブルで私の横に座ったのは、私達参加者のお世話をしてくれた、40代半ばの女性職員でした。テキサス州出身で、ご主人の仕事の関係で当地に来たようです。

Img10471674855 話がお互いの学生時代(私の場合には、アメリカでの留学時代)のことに及ぶと、彼らも時間はあってもお金がない身分。私同様、テント持参であちこち車で旅したとか。貧乏学生でお金がないので「2日キャンプしては3日目にモーテルに泊まった。」と話せば、彼女は、「そうそう、シャワーを浴びるためでしょう?」と聞いてきます。Air_mattress 「いや、寝袋の下に敷く2つのエアマットの1つに微細な穴が開いていたため、夜中になると次第に空気が抜けて、背中に直に石が当たって痛くなる。3日に1回はモーテルのベッドで体を休めないと持たないから。」と答えると、相手も、「我が家もエアマットの空気が良く抜けて、夜中に主人が起き出しては、隣で空気の吹き込み口に口を当ててフウフウ吹いていたのを思い出す。」と言うので大いに共感し合いました。世代を越え、国籍を越えて似たような体験をしていたのですから。

Michigan当時、4ヶ月もある長い夏休みをどう過ごそうかと悩んだ末、級友からテント一式を借り受けてミシガン州を一周したことがありました。Petoskey2 ペタスキーという貴石で有名なリゾート地でキャンプしたときのことです。真夜中に急に激しい雷雨に見舞われ、テントが雨漏り。テントの屋根からしみ出して床に溜まった雨水を吸い取ろうと、着ていた衣類を1枚脱ぎ、2枚脱いでいる内にとうとう丸裸に。仕方なく家族全員、車の中に避難しましたが(真夜中でしたから、誰にも見られずに済みました)、排気量5000ccもの大型車1 だったので、結局、車の中で親子3人が一夜を過ごすことが出来て助かったことがありました。そんなエピソードを紹介すると相手は大笑い。彼女たちのテントも雨漏りしたことがあったとのことです。ひょんなことからお互いに急に親近感が増しました。

アメリカ人の良いところは、初対面の間柄でもこうして直ぐ打ち解け合えることでしょう。西部開拓時代の滅多に人に会わない環境が生み出した、旅人を持て成す良き風習なのでしょうか。

甲斐 晶(エッセイスト)

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