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所変われば

 外国に出かけて仕事をしたり、日本で外国の人々とビジネスをする上で、その国の日常の挨拶の言葉を身に着けたり、風俗習慣の違いをわきまえることが大いに役立つことがあります。「おはよう。」とか「こんにちわ。」とかいったちょっとした挨拶を片言ででも相手の国の言葉で言えると、雰囲気が和んでその後の会話も進みます。また、逆に風俗習慣の違いを知らなかったために、些細なことでお互いに気まずくなって、まとまる商談もまとまらなくなることがあるからです。Fin

 かくして、「おはよう。」とか「乾杯。」とかいった簡単なフレーズを英語、仏語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、スペイン語、中国語などの言葉では勿論のこと、滅多に使うことはないのですが、フィンランド語やハンガリー語でも覚えたりしていて、これが結構役立っています。Hunまた、「目は口ほどに物を言い。」の諺どおり、状況によってはボディ・ランゲージやエチケットの心得が大いに役立つことがありますし、風俗習慣の相違を心得ておくことで無用な戸惑いを避けることもできます。

 インドに出かけた時のことです。行く先々のオフィスでお茶やコーヒーを出されるのですが(ちなみに、給仕をしてくれるのは、不思議なことに日本と違って必ず男性です)、そんな場合に必ず、砂糖を入れるのか、ミルクを入れるのか当方の好みを聞かれます。自分の好みを伝えると、彼らは、判で押したように8の字を描いて頭を振るのです。こちらとしては、相手が腑に落ちない、承伏できない、よく分からないとのサインを送っているように思え、もう一度好みを伝えますが、何度やっても結果は同じ。頭を横に振られます。実は、これがインドでは、かしこまりましたの合図なのです。よく見ると、インドに駐在して日が長い我が同僚も、相手から質問されると、しきりに頭を8の字に振っています。ああ、しっかりインド人をやっているなあと思わされることしきりでした。Ind

 これまたインドでの出来事ですが、政府高官主催の晩餐会に招かれたことがあります。着席のはずなのに、1時間経っても、2時間経っても狭いロビーで立ち放しで、出されるのは、オードブルと飲み物ばかり。あれぇ、招待状を読み間違えたのかな。結局、今晩はカクテルだけか。それでは、おつまみだけでお腹を満たすことにするかと方針転換する段になって、漸く別室への扉が開き、宴席に招き入れられました。ビュッフェ式でしたので招待客は、銘々、一斉に食事を取り始め、そそくさと退散。これがインド式なのだそうです。

 時間がルーズなのは、インドばかりではありません。南太平洋の国々では、7時に宴会を始めようとしたら、案内状には「6時開宴」としておく必要があるそうです。しかも、立食の場合、お客は、飲み物がある限り、予定時刻が過ぎても何時間でも居続けるので、予定時刻になったらもう飲み物を出さないのがコツの由。いやはや、所変われば何とやらです。

 こんな風俗習慣の相違に対するビジネス上の心得について、タイムズ紙がコラムで取り上げたことがあります。ヨーロッパで英国人が仕事をする上でのエチケットとして、フランス人に一杯誘われたら決して断るな、ドイツ人とは必ず握手をせよ、Ude フィンランド人の前では腕組みをするな(横柄な態度に写るため)と助言しています。さらに、タイで靴の裏を他人に向ければ相手に対する侮辱と受け取られ、中国で物を指差したり、誰かに触ったりするのは不作法であると指摘しています。 会合を設定するのにも、相手の国の習慣に合わせよとして、イタリア人は昼食を取りながら商談するのを好み、エジプト人は個人の家での会合を好むとか、アラブ人との会合には、余裕を見る必要があり、2時間も遅れて現れるのは全く許容の範囲であるとの例を挙げています。

 英国には、ビジネスマンを対象にして、こうした各国の風俗習慣の違いについて教えるコースがあるようです。そこにおいて、日本に関してどんな内容の紹介がされているのか、大いに興味がそそられるところです。

甲斐 晶(エッセイスト)

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