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過剰包装

 お店で買物をすると、日本では、どんな商品でも過剰なまでに包んでくれます。例えば、ちょっとおしゃれなパン屋さんで、アンパンや菓子パンを何個か買ってみてください。まず、アンパンなどを個別に薄いビニール袋に入れ、次ぎにこれらをプラスチックのバッグに入れ、最後に手提げの紙袋に入れてくれます。さらに、フランスパンでも買おうものなら、食べ残しのフランスパンが硬くなるのを防止するための専用の透明袋までつけてくれます。一事が万事こんな具合ですから、ちょっとあちこちで買物をして家に戻って整理してみると、包装用の紙袋やパッキング材でごみ箱はすぐに満杯になってしまいます。20061111baquette2

 これとは対照的に、パリなどでフランスパンを買っても包んではくれません。むき出しのフランスパンを何本か小脇に抱えて家路に急ぐパリジャンの姿を旅先で目にすることがあります。ウィーンでも、買ったものを入れるビニール袋は有料ですから、お客は、買物袋持参でショッピングに出かけます。ギフト用にリボンや綺麗な包装を頼めばこれまた有料。こんな時、日本のデパートならただでやってくれるのになあと、悔やまれることも有ります。でも、この結果、過剰包装が防止され、ごみ問題が軽減されるのです。

 とにかく、日本の過剰包装は、度が過ぎています。本来、物を包むべき役割のはずの封筒や香典袋でさえ、商品は既に透明なセロハン紙に包まれています。店員は、さらにこれを包装紙で包んだ上で、紙袋に入れてくれます。もっともこれは、ちゃんと代金を払ったもので、万引きしたものではないことを示すためなのでしょう。過剰包装と思われる包装にもそれなりの意味があるのです。E383b4e382a3e38383e382afe382b9e6ada

 例えば、日本の湿気の問題です。具体的な商品名を挙げて恐縮ですが、外国でヴィックスを買うと、外箱の中を開けて出てくるドロップ全体を包んでいるのは、単なる油紙ですが、日本ではちゃんと密封性を考慮し、アルミ包装になっています。

 また、消費者の利便性を考えた小分け包装の側面もあります。昨今、家族構成が小人数となったため、おせんべいなど一袋全部を一度には食べきれません。残せばすぐに湿気てしまいます。そこで、近頃では、おせんべいを一枚一枚個別に包んだ上、全体を袋に入れたものが売られています。これも実に日本的な工夫でしょう。Image_col_11_l

 過剰包装が増える理由のひとつに、消費者のブランド志向があります。商品の包装だけでは満足せず、どこで買ったかを示すために、特定のお店の包装紙や紙袋などが珍重されるのです。海外出張のお土産に、ある有名デパートで、専門店のお茶を求めました。その際、包装紙をその専門店のものにするか、Tissuecasecoverそのデパートのものにするかを尋ねられたことがあります。我ながら内心忸怩たるものがありましたが、贈り先の反応を考え、デパートのものを頼んでしまった経験があります。

 日本人の何でも包みたがる性向は、一体どこから来るのでしょうか。ティッシュ・ボックスのカバー、ドア・ノブのカバー、パスポートのカバーと身の回りには、Choco_20020827_2 何でそこまでやるのと思われるほどカバーばかり。本音と立て前を区別する国民性に由来するのでしょうか。清潔好きの国民性の故でしょうか。とにかく、むき出しでは先方に対して失礼と思うメンタリティが作用しているのは、確かです。我々は、ご祝儀を渡すのにも、まずお金を薄紙の中包みに入れ、これをご祝儀袋に納めてから、袱紗に入れるほどの念の入り用です。

 どうせ破って捨てると分かっていても、包装パッケージの破損した商品を日本人は買いません。

アメリカでは、そんな商品でも平気で売られています。外見より中味が大切とのメンタリティ、合理性なのでしょうか。03img03

 日本でも、ゴミ減量のために、リダクション(減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再利用)を基本とする改正リサイクル法が施行されました。我々もここらあたりで考え方を改め、過剰包装を拒否する消費者態度を身に着ける必要があります。さあ、買い物袋を持ってお店に出かけましょう。

甲斐 晶(エッセイスト)

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