« フライト・トラブルⅠ | トップページ | メープルシロップ »

フライト・トラブルⅡ

 前回(フライト・トラブルⅠ)は、エンジントラブルのため成田で出発便が18時間も遅れ、結局成田のホテルに投宿する羽目になったことをお話ししました。

 その時に多くの乗客が困っていたのは、チェックイン時に預けたスーツケースが機内のコンテナーに入ったままで、手元には客室に持ち込んだ手荷物しかなく、着替えなどに不自由したことです。

 必要最低限の洗面用具類はホテルの部屋に備えられていますし、浴衣があるので寝巻きは問題ありません。しかし、折角、風呂に入ってさっぱりしても、着替えがないので、汚れたままの下着類をまた着用せざるを得ません。こんな場合のための生活の知恵をいくつかご紹介いたしましょう。

 その1。目的地にスーツケースが一緒に届かないという苦い経験を何度かしたことから、私は、常々、洗面道具と1日分の着替え(下着と靴下)を機内持ち込みのバッグに忍ばせています。これが今回大いに役立ちました。また、会議用の書類なども、同じ理由から機内持ち込みにしています。これに、旅先の知人・友人へのおみやげもすぐに渡せた方が良いと思って機内持ち込みとするので、いつも大荷物です。

 Photo_eir その2。着替えを持ち合わせていない場合に役立つのが、いつか永六輔さんがどこかで書いておられたヒントです。まずは、下着を着たまま、石鹸を使ってシャワーを浴びます。石鹸分を洗い流した後、浴室にある足拭きマットなど厚手のタオルに下着をくるくる巻き込みます。これを浴室の床に置き、思い切ってその上に飛び降ります。そうすると、下着の水気がかなり取れますが、仕上げは、部屋に備え付けの冷蔵庫。よく絞った下着をこの冷蔵庫の中に一晩置くと、翌朝には、すっかり乾燥。ひんやりと肌に冷たくとても着心地が良いとか。この話を聞いて以来、ホテルの部屋の冷蔵庫の中の飲み物が飲めなくなりました。

 その3。先に書いたように、目的地にスーツケースが一緒に届かないということは、良くあることです。特に、乗り継ぎ便との時間的余裕が無い場合にそうです。普通は、直近の次のフライトに乗せられ、宿泊先を航空会社に告げておけば、そこまで届けてくれます。もしも、その日のうちに届かないで、洗面道具や着替え類を買わざるを得なっかった場合には、領収書など明細があれば、航空会社にクレームする事が出来ます。

 荷物に関するトラブルもこれまで色々経験しました。一番閉口したのは、共産圏時代のモスクワ空港でのこと。まず荷物が到着便の表示と無関係にあちこちのターンテーブルから出て来るのです。しかも、全てが出終わるのに2時間も掛かるため、あちこちこれは自分のではないか、あれはどうかと飛び回っている内にすっかり疲労困憊。Svo

 紛失届けを出し、後刻、「見つかりました。」との連絡があっても、宿泊先まで転送してくれるわけではありません。空港まで取りに来いというので行ってみると、データをコンピュータに入力し忘れているためでしょう。「未だ見つかっていない。」とのつれない返事。ここで引き下がったら、未来永劫私のスーツケースは手元に戻って来ません。そんなことはないはず、確かに見つかったとの連絡を受けたのだからと押し問答の末、ようやく倉庫に案内されます。乱雑に荷物が山積みになった中から見つけ出すのは至難の業でしたが、執念です。やっと見つけることが出来ました。

 Iaea1 もう一度は、IAEAに勤務中のことでした。お正月を故国で迎えようと、家族共々日本に一時帰国。ウィーンからの土産を別送品としたのですが、一向に到着しません。生憎クリスマス休暇となって、ウィーンの運送会社と連絡が取れません。ようやくコンタクト出来たと思ったら、今度は、日本側の運送会社が年末年始のお休みに。結局、荷物が届いたのは、ウィーンへ出発する3日前でした。残された日々で躍起になってあちこちにお土産を配りまくり事なきを得ましたが、実に薄氷を踏む思いでした。電話連絡の経費や別送品が届かなかったために代替品を購入した経費を運送会社に請求。これをちゃんと支払ってくれたのには、さすがに保険制度の発達した国と感心しました。              

甲斐 晶(エッセイスト)

|

« フライト・トラブルⅠ | トップページ | メープルシロップ »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« フライト・トラブルⅠ | トップページ | メープルシロップ »