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モーツァルト協会

 Mozart 1998年の7月4日、東京のイイノホール(残念ながら昨年末に閉館してしまいました)において日本モーツァルト協会の例会(コンサート)が行われました。通算第400回を記念するもので、海老澤敏会長(第3代)の挨拶に加え、関係者への感謝の品の贈呈などが行われたところで、モーツァルトの2つの管楽合奏作品の演奏に移行。N響首席奏者3名を含むN響団員を中心にしたメンバー構成で、さすがに素晴らしい演奏でした。

 日本モーツァルト協会は、Horiuthi11020勿論、モーツァルト(17561791)の音楽をこよなく愛する人々の親睦団体で、1955年に発足。特定音楽家の愛好団体として我が国では、草分け的存在です。発足の翌年、1956年には、モーツァルト生誕200年の記念行事を行っていますが、この準備のためにその前年に発足したという事情もあったようです。初代会長は音楽評論家の 堀内敬三氏で、2代目が属(さっか)啓成氏。1994年の属氏の逝去に伴って、現会長の海老澤敏氏に交代しています。Ebisawa002

 さて、皆さんご存じのように、モーツァルトの全作品には、年代順に整理番号(ケッヒェル番号:K)が付されています。協会員になるとこのケッヒェル番号が会員番号として与えられるのですが、ケッヒェル番号は無限ではなく、626番までですから、日本モーツァルト協会の会員数は、626人に限定。欠員が生じない限り会員は補充されず、会員になるのは至難の業です。しかも会員2名による推薦が必要とも聞いていましたので、とても無理だと初めから諦めていました。

 ところで、私の職場がたまたま例会の会場、イイノホールに近く、また、奥様が会員である職場の同僚が「残念ながら、今日は都合がつかないから」と入場券を融通してくれたことから例会に出向いたのが、私の日本モーツァルト協会との初めての出逢いでした。そこで初めて、会員でなくても当日入場料(臨時会員券)を払えば例会に参加できることを知り、以後、イイノホールの前に立てられる看板の案内を見ては、時折、例会に出たりしていました。Iinohall_top_1

 そうこうする内に、正(K)会員626名に加えて、準(T)会員という制度があることを知り、早速申し込みました。年会費は4万円で、これを一度に支払うのはなかなか大変なものがあります。しかし、年間に10回開かれる例会の入場料が毎回4,500円で、正及び準会員は無料で入場できることを考えれば、割安と見なすこともできます。

 例会では、当然のことながらモーツァルトの作品が中心。これに、彼とゆかりのある音楽家の作品が加わります。管弦楽あり、声楽あり、独奏曲あり、協奏曲ありとバラエティに富んでおり、また、時には、カウンター・テナーの米良美一氏Mera のような有名人が出演することもあって、とても充実した演奏会です。また、音楽もさながら、会場で配られる演奏プログラムを兼ねた会報に載る曲目解説(海老澤敏会長の手になることが多い)も、毎回読み応えがあります。さすがに名高いモーツァルト研究家の海老澤敏会長ならでは。大変に格調が高く、また蘊蓄に富んだ曲目解説で、毎回、読むのが楽しみです。

 ところで、例会の会場には残念ながら若者が少なく、年輩者の姿を多く見かけます。大概は、既に第一線からリタイアしているとおぼしき初老の男性が一人だけで来ていますが、白髪混じりの老夫婦も時たま見かけたりします。

 会員の高齢化が進んでいるとの嘆きが会報の記事にも散見するので、このままで行けば、準会員から正会員に昇格してケッヒェル番号を貰えるようになるのもそう遠くはないと、密かにほくそ笑んでいる私ですが、同じようにそう思って待っている準会員の数は、230人以上。しかも私は、そのウエイティング・リストの下の方なのです。

 私と同じ頃に準会員となった、某病院長の見立てでは、まだまだとても皆さんお亡くなりになりそうにはないとのこと。この分では、2006年のモーツァルト生誕250年記念の年までには正会員になれそうにもなく、こちらがリタイアメントを迎えてしまいます。そうなると4万円の年会費は応えるなあと、憂えていた私なのです。

  甲斐 晶(エッセイスト)

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