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ラテン気質

 前回(イグアスの滝)は、イグアスへの旅で気付いたラテン気質の幾つかに触れましたが、今回もその続きです。 まずは、アルゼンチンでの話。Middle_1104147635 カルピンチョと言う小動物の革で作った手袋がとても柔らかくて暖かく、しかも汚れればそのまま水洗いが出来るというので、お土産に求めました。出国の際の免税手続きを尋ねると、私の場合、アルゼンチンからブラジルへ通過するのがイグアスからの陸路なので、ちょっと複雑。免税分の払い戻しは、空港の指定銀行でしか出来ないので、国内フライトなのにブエノスアイレスからイグアスへの搭乗手続きの際に税関でやってくれるとの話でした。

 ところが世話役のアルゼンチン人に空港に確認して貰うと、国内線では出来ないはずとのこと。あることを尋ねると十人十色の答えが(しかも何れも自信たっぷりで)返って来るあたりがラテン的いい加減さなのですが、そんな時は、「駄目元(駄目で元々)」精神に限ります。空港で実際に事情を話すとすんなりとOK。国際線の搭乗券を持っていないのに通関し、国際線内の搭乗エリアの銀行で免税分の払い戻しを無事受けました。Mapbrazil

 さて、イグアスでの会合が終わって、陸路ブラジル側に移動。そこの空港からリオデジャネイロへ飛ぶ日となりました。担当者は、通関手続きの時間も見込んで十分余裕を見てホテルを出たはずなのに、バスに乗って初めて、その日からブラジルではサマータイムなったことを知ります。フライトの出発時刻が1時間も早まるのですから、万事休す。隣国のブラジルのことなのに、アルゼンチン人が知らない(あるいは、担当者が確認もしていない)あたりが実に大らかでラテン的です。

 結局、ブラジル側の空港の搭乗カウンターに着いたのは、出発時刻の20分前。既にオーバーブッキングで予定のフライトには、乗れません。たまたま1時間後にチャーター便の戻りの便があり、航空会社の計らいで、これに乗せて貰うことになりました。お陰で、広いエアバス機内に乗客はほとんど我々のグループのみの状態。しかし、このフライト変更が後であだとなりました。

 先方の指示でフライトを変更したのにも拘わらず、係員がこれをコンピューターに入力するのを怠ったのです。このため、コンピューター上は、予定のフライトに乗客が現れなかった(ノーショウアップ)との扱いになり、後続のフライトの予約が全て自動的にキャンセル。折角予約してあった帰国のフライトに支障を来したメンバーが少なくなく、帰国直前までフライトが確定せずにやきもきしていました。このあたり、「ラテン気質のいい加減さが好き」などと呑気なことは言ってはいられない実例です。

 リオデジャネイロの交通マナーには、度肝を抜かれました。ラテン気質の最たるもの。無秩序の秩序とでも言うのでしょうか。通行人は、信号が赤であろうとお構いなし。動いている車の前後を流れの合間を縫って器用に横断。信号待ちの車の間に物売りが現れたりもします。したがって、車に乗っていると、急に人が飛び出してくるので、実に冷や冷やもの。しかし、良くしたもので、しばらくすると「郷に入りては郷に従え」で、同じようにやっている自分に気付いてハッとさせられました。All_2

 リオで両替したところ、渡されたのは、よれよれのお金。新札に替えてくれるよう頼んだところ、「よれよれの方が流通過程をちゃんと経て来ている証しであり、偽札でないことが証明済みなので却って有り難いのだ」との返事。そう言われれば確かにそうで、反論できません。このあたり、我々の感覚とは、ちょっと異なるところです。Rio

 リオでは、元IAEAの同僚でしたが後に国に帰って原子力委員まで務めたP氏に再会。空港までお出迎えで、例のイグアスからの1時間遅れのフライトを待っていて呉れ、リオのシンボルであるシュガーローフまで案内して呉れたり、自宅に招いて本格的ブラジルコーヒーを入れて呉れたりしました。もう、引退しているというのに、お抱え運転手付き。人件費が安いからとの説明でしたが、ブラジル上流階級の気質に触れた気がしました。

          甲斐 晶(エッセイスト)

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