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ユーロにまつわるトリビア

 欧州の単一通貨、ユーロの紙幣と硬貨が市中に登場して丸5年となった2007年1月1日から、スロベニアでもユーロを使用し始めたので、EU域内のユーロ圏は13ヶ国となりました(*注)。ヨーロッパを旅する者にとって、ユーロ圏内なら行く先々で両替をする手間が省け、とても便利です。以下、ユーロに関するトリビアをご紹介しましょう。140pxeuro_symbolsvg

 2007年1月1日現在、EU加盟27国のうち、ユーロ圏に属するのは、オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ポルトガル、スロベニア、スペインの13ヶ国です(*注)。ユーロ発足当時のEU加盟15ヶ国のうち、イギリス、スウェーデン、デンマークは依然としてユーロ圏には加わっていません。また、ユーロ発足後にEUに新規加盟が認められた12ヶ国のうち、ユーロを導入しているのはスロベニアだけです(*注)。一方、EU加盟国ではないモナコ、サンマリノ、バチカンもユーロを通貨にしています。

 EURO英語ではユーロ、フランス語オランダ語ではウロ、イタリア語スペイン語ポルトガル語フィンランド語ではエウロ、ドイツ語ではオイロ、ギリシア語ロシア語ではエヴロと発音します。日本では英語式の発音ですね。

 1ユーロは100セントで、それぞれを表す記号として  ¢ があるのですが、¢ はあまり使われず、12¢ ではなく 0.12と表記されます。626pxeuro_coins_version_ii

 ユーロ硬貨には、1、2、5、1020及び50セントと1及び2ユーロの8種類があり、表面のデザインはユーロ加盟国の全てで共通ですが、裏面のデザインは国ごとに異なります。例えば、オーストリアで鋳造された硬貨では、1euro_oeモーツァルトやエーデルワイスなどオーストリアにちなんだモチーフとなっています(「ユーロ登場」参照)。

ユーロ紙幣には、5、102050100200及び500ユーロの7種類があり、そのデザインは後に述べる点を除き、基本的には各国共通です。Euro20040727042030_2オーストリア人カリーナ氏のデザインが採用されており、欧州史における建築様式の発展を、人と人をつなぐ「窓」、「門」(表)と「橋」(裏)という図柄によって表現しています。額面の小さい方から順に、古典、ロマネスク、ゴシック、ルネッサンス、バロック・ロココ、鉄・ガラス時代、そして20世紀-現代を示す図柄となっていますが、いずれも特定の国を優遇することの無いよう、架空の建築物ばかりです。また、表側にはEU旗、裏側にはヨーロッパの地図があしらわれています。

お札には、「ユーロ」がEU域内の2つの表記文字(ラテン文字及びギリシャ文字)でEURO及びEYPΩと表記されています。将来、ブルガリアがユーロ圏に加わればキリル文字の表示(EBPO)が追加されるかも知れません。また、表側には、ユーロ発足時のEU公式言語11による欧州中央銀行の略号表記5つ(BCEECBEZBEKT及びEKP)と同銀行総裁のサインも併せて表示されています。サインには、発行時点により初代総裁のものとその後任者のものの2種類があります。

 このように、各国共通の図柄が採用されたユーロ紙幣ですが、その印刷を1箇所だけで行うのは、その流通量からして実際的ではありません。従って、ユーロ発足当時には、全部で15の印刷工場が印刷に加わりました。すなわち、ルクセンブルグ以外のユーロ加盟国11ヶ国にある14工場(原則1国1工場ですが、フランスとドイツは、それぞれ2及び3工場でした)と、ユーロ圏外の英国の1工場で印刷されたのです。

 ところで、お札の印刷された国を識別する鍵がアルファベット1文字と11桁の通し番号からなる発券番号に隠されています。冒頭のアルファベット及び11桁の数字の各桁の数字の和(2桁になれば、さらに1桁になるまで和を求める)が、お札の国籍を示しており、例えば、オーストリアではそれぞれがNと3になっています。その他の国の場合についてもお知りになりたい方は、是非、WikipediaのEuro Banknotesをご覧下さい。もしも、お手元にユーロ紙幣があれば、その出身国をこれで調べてみるのも面白いでしょう。

*注:その後、キプロスとマルタが加わり15ヶ国となっています。

甲斐 晶(エッセイスト)

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