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続々・ウィーンの味覚

 これまで2回にわたりウィーン料理を中心にウィーン旨いものづくしをしてきました(ウィーンの味覚続・ウィーンの味覚)。ところで、実際にウィーンに長く暮らしてみると、身近のちょっとしたものなのですが病みつきになってしまい、その味が忘れられなくなるものがあります。

 例えば、朝食。Semmel まずは Semmel と呼ばれる、アンパンぐらいの大きさの白いパンがあります。焼きたてが命で、毎朝、パン屋に買いに行くのがウィーンの主婦の務めのようです。5枚羽根のプロペラのような独特の形の筋が頂部に入ったパンで、外側はちょっと堅めですが、半分に割ると中は柔らかく、芳ばしい香りがします。バター(ウィーンのものは無塩です。)とジャムを付けただけでとても美味しいのです。ジャムはイチゴばかりではなく、ラズベリー、ブルーベリー、カシス、アプリコット、そしてウィーン独特のシュベチケン(プラムの一種)と色々楽しめます。

 ジャムを付ける代わりにハムやチーズを挟み、サンドイッチにして食べても可。このハムやチーズも種類が豊富で、どれもこれも素敵な味揃い。私の場合、チーズならば Butterkaese というとろけるような柔らかさのもの、Beinschinken_2 ハムならば豚の腿を骨付きのままハムにし、それを大きなナイフでそぎ落として売っている Beinschinken が好物です。

 もっとも、チーズやハムと一緒に食べるのなら、パンは黒パンが最高。初めて黒パンを口にしたときには、何てまずいのだろうかと思ったのですが、「味覚は創られる」です。次第にその深みのある味わいに魅了されてしまいました。しっとりとしていて、噛むとしっかりとした歯ごたえがあり、ほんのりとした酸味が何ともいえません。一般に日本のパンはふかふかで、甘過ぎて、腑抜けです。

 しかし、黒パンには、やはりソーセージが一番合います。Weisswurstウィーンのソーセージ類も色々な種類がありますが、ウィンナー・ソーセージという名のものはありません(何とフランクフルターと呼ばれているのです)。Bratwurst が好きですが、白い色の Weisswurst というのもあります。 オペラの公演の前など時間の無い時には、街角のソーセージ・スタンド(Wurststand)でソーセージと黒パン、そしてコーラを飲んで済ませたことが思い出されます。ソーセージを乗せた紙皿に添えられたちょっと酸っぱい Senf(西洋カラシ)の味が今でも忘れられません(右上のWeisswurst の写真で黄色のもの

 ソーセージ・スタンドで付け合わせに良く頼むGurken(小型のキュウリ)や青唐辛子のピックルス、Sauerkraut(キャベツの酢漬け)なども忘れ得ぬ味となっています。数ある漬物屋さんの中でも良く行ったのは、Naschmarktの中程にあるお店。"Meine Herren und Damen!" と親父さんが道行くお客に呼びかけ、「当店の Sauerkraut はシャンパンのようにまろやか。」と宣伝しているので分かります。良く売れて商品の回転が速いためでしょう。確かに爽やかな良い味。漬け汁がシャンパンのように琥珀色できめ細かに泡の立つ逸品です。ここの Gurken の塩漬けも魅力的です。Krapfen1

 甘党には Krapfen も懐かしいもの。アンドーナツの餡の代わりに杏ジャムが入ったものと思って下さい。本来はカーニバル(Fasching)の時期だけだったのですが、その美味しさから今では一年中いつでも売られています。Oberlaa というお店のものが Kurrier 紙の評価で最高点を得ました。

 良くスキー場でお昼に食べる Germknoedel も逸品。Germknodel これは大きめの餡饅の中味が芥子の種の餡に代わったもの。溶かしバターやカスタードがかかって出てきますが、疲れた体にはこの甘さがたまりません。一緒に飲む、Almdudler というハーブ入りのレモネードも他にはない味覚。初めはひねた味だと思っても、病みつきになる日本人が多いのです。Almdudler    

 この他、Halibo社のコーラやピーチ味のグミ、オーストリアのメーカーではありませんが Milka社のミルクチョコレートなども忘れ得ぬ味です。

 ここに挙げた、ウィーンに住んだことのない人にとっては何の変哲もないようなものを、ウィーンに出張の機会をとらえて、食物検疫に引っかからない範囲で買って帰っては、家族孝行をしている筆者なのです。   甲斐 晶(エッセイスト)               

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コメント

ブログとても面白かった。
これからも楽しみに待っています。
こんどはどんな記事かなぁ~

投稿: SiloamCarePlace | 2007年11月11日 (日) 15時29分

ブログ開局おめでとうございます。
ウィーンに関する楽しくて、ためになる話を
これからも大いに期待しています。

投稿: 杉本 | 2007年11月10日 (土) 19時56分

遅くなりましたが、ブログ開設おめでとうございます。

長年の海外生活経験を活かした素敵な内容ですね!

これからも、楽しませていただきます。(^.^)ノ

投稿: マナ | 2007年11月10日 (土) 19時54分

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