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日本の常識・世界の非常識

 私たち日本人が極く当たり前に行っていることが欧米の常識とは大きくかけ離れているため、ひんしゅくを買ったり、時には犯罪扱いされることもあるので、海外旅行や海外で生活する場合には要注意です。特に子供の扱いや子育ての常識の違いからトラブルに巻き込まれる場合もあります。

 例えば我々日本人は子供に対して寛容で、コンサート、レストランなどどこへでも親と一緒に連れて行く傾向があります。しかも子供は王様で、多少の他人への迷惑は大目に見られます。ところが欧米では子供たちはベビーシッターに頼んで家に置いておき、親たちだけで楽しむのが常識。子供達れで許されるのは子供向けのコンサートや中華レストランぐらいのものです。29

 しかし海外生活においてこのベビーシッターに子供を預けて外出することは日本人の親にとっても子供にとっても慣れるまでは泣きの涙のこと。私の家内なども初めのうちは家に置いてきた子供がベビーシッターに慣れずに泣いてはいないかと気掛かりで、とてもパーティーやコンサートを楽しむどころではなかったと言っていました。

 日本でも子供だけを家に置いていて事故が起きれば当然親の刑事責任が問われますが、欧米では子供をベビーシッターなどの監督者を置かずに置き去りにしただけで親の責任が問題になります。現に何年か前、米国ロスアンゼルス近郊で車内に乳児をおいて買い物をしていた日本人旅行者の夫婦が幼児虐待のかどで逮捕され、罰金刑に処せられたりしました。

 またこれはウィーンでの出来事ですが、日本人の若夫婦が目を離していた隙にその乳児が3階の窓から地上に転落。奇跡的に無傷で後遺症も無くて良かったのですが、事故を知ったオーストリアの警察は両親を尋問。過失はなかったか厳しく取り調べられたそうです。それほど親の監督責任が問われるのです。これは車の運転でも同様で、日本では運転席で膝の上に幼児を乗せて運転しているのをよく見かけますが、欧米では12歳までの子供は後部座席に座らせないと厳罰です。助手席でさえ子供はご法度です。Mouko

 このほかにも我々日本人にとっては常識的なことが欧米では戸惑うこともあります。幼児に特有の蒙古斑が米国で幼児虐待と誤解されてトラブルとなった例を耳にしますし、日本では子供が風邪で高熱を出すと極力暖かくして汗をかかせて熱を引かせるのが常識なのに、米国式では冷水浴を勧められて困惑したこともあります。

 米国留学中のことでした。2歳になる娘が高熱を出したので大学病院に連れて行き小児科の医者に診てもらうと、まずは氷水を入れた浴槽に入れ、しばらく経ってから出し、濡れタオルで体を包んだまま放置するように言われました。日本の常識とはまるで正反対の指示でしたから、自分の娘に対してするのに忍びず、市販の小児用アスピリン(イチゴ昧つきで米国ではポピュラーです)を飲ませただけでした。しかし一向に高熱が引かず、再度見てもらうと、ちゃんと指示通りに冷水浴させないからだとひどく怒られた記憶があります。同じアパートの隣人で日本人の内科医にこの話をしましたが、習慣の違いとはいえ自分も冷水浴はさせられないと言っていました。

 この他何気なくするジェスチャーにも要注意です。日本では平気で他人を指差しながら会話をしますが、人差し指で他人を指すのは欧米ではきわめて失礼なことです。またこぶしを握った状態で中指だけをたてた形は日本では何の意味もありませんが、欧米では男性性器の象徴で相手を侮辱するときにこの形を作ります。Vict0

 ある時、某テレビ局のニュース解説でアナウンサーがフリップを指さすのにしきりに中指を使ってこの形をやっていました。きっと視聴者からの指摘があったためでしょう、番組の途中から指を使うのを止めてボールペンで使うのを止めてボールペンで指し示していました。これを見ていてつくづく感じたのは、日本も国際化が進んで海外経験が豊かな視聴者が増えてきたのだなあということです。     甲斐 晶(エッセイスト)

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